コイン探求の旅、今回ご紹介するコインは『ラトビア第一共和国 1ラッツ銀貨』です。
発行国 | ラトビア第一共和国(ラトビア) |
---|---|
材質 | シルバー |
品位 | 0.835 |
発行年 | 1924年 |
発行枚数 | 10,000,000 |
鑑定会社 | 未鑑定 |
グレード |
XF相当 |
サイズ |
このコインは、表面には中央にラトビアの国章(大紋章)が描かれ、ラテン語でラトビア共和国と刻まれています。裏面には額面の1ラッツ、発行年の西暦1924年が刻まれています。
ラトビアは、18世紀からロシアの支配下にありました。ロシア皇帝アレクサンドル3世の治世の1881年頃から厳しいロシア化政策が進められていましたが、20世紀に入ると次第に独立の機運が高まっていきました。1917年のロシア革命で、レーニンの提案に基づいて採択された布告において民族自決の原則が打ち出されたことによって、ラトビア、リトアニア、エストニアのバルト三国の独立が実現、ラトビアは1918年に第一共和国として独立を宣言しました。
このコインが発行された1924年は、ラトビア国内にはロシア人、ユダヤ人、バルト・ドイツ人といった複数の民族がひしめき合い、39という多数の政党が乱立して議会(サエイマ)を構成しているといった状態で、度々政権交代があり国内の政治は不安定な状況にありました。第一共和国が成立した1918年からソ連に併合された1940年の22年の間に首相に就任した人数は15名でしたので、在任期間は平均1年半という短さとなります。このコインが発行された1924年に首相に就任したのは、以下の3名でした。
■ジグフリーツ・アンナ・メイエロヴィツス(1923年6月27日~1924年1月26日)
Zigfrīds Anna Meierovics — Vikipēdija
【主な政策】
・ラトヴィアの外国語表記に関する法令を公布
・最初の自動車交通規則ヲ公布
・自由記念碑建設プロジェクトの入札規則を承認
・映画館に関する規則を採択、映画館の開館には内務省の認可が必要であり、内務省が検閲した映画のみが上映可能
・エストニアと防衛同盟に関する条約、経済関税同盟に関する暫定条約、国境に関する補足条約、相互請求権の解決に関する協定を締結
■ヴォルデマールス・ザームエールス(1924年1月27日~1924年12月18日)
Voldemārs Zāmuēls — Vikipēdija
【主な政策】
・ラトビアの金融システムを強化、国家予算法を作成し公布
・報道法を承認、国内における幅広い報道の自由を保障
■フーゴ・ツェルミンシュ(1924年12月19日~1925年12月23日)
【主な政策】
・内閣制度に関する法律を公布、政府は首相、外務大臣、財務大臣、内務大臣、教育大臣、戦争大臣、農業大臣、運輸大臣、公共福祉大臣、司法大臣で構成されると規定
・側溝の掘削、河川の調節、ダムや水門の建設に国庫補助金を支給することで、農地の開墾を支援することを決定、国境保護に関する規則を採択
・農地改革の一環として貴族と教会の土地を国有化、ドイツ貴族は国際連盟に提訴し金銭的補償を要求したが、貴族の要求を拒否
ラトビアは1940年にリトアニア、エストニアと共にソ連に併合されました。ラトビアが再び独立を勝ち取るのは、1991年になってからの事となります。
このコインの発行枚数は、PCGSでは44枚あり、Top PopはMS66となります。NGCでは33枚あり、XF Details、AU Details、UNC Detailsのみとなります。このコインは、コインショップやフリマサイトで見かける機会が比較的多く、また発行枚数が多いこともありますので、MSクラスの状態が良いコインでない限り希少性はさほどないと思います。
今回の旅は、ここまでにしたいと思います。
最後までご覧いただき、ありがとうございました🙇♂️
探求の旅は、まだまだ続きます🐪🌙