コイン探求の旅、今回ご紹介するコインは『イギリス 1/2ペニー 銅貨 試作貨』です。
我々日本人からするとマイナーな地域のコインが続いたので、今回は本場イギリスをチョイスしてみました。でも、私が圧倒的に好きなのはマイナーな方なんですよね・・・来週からまたマイナーな方に戻るかもしれません(^^;
発行国 | イギリス |
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材質 | カッパー |
品位 | ? |
発行年 | 1799年 |
発行枚数 | ? |
鑑定会社 | NGC |
グレード | PF65BN |
サイズ |
コインの表面には、発行年である1799年に王位に就いていたジョージ3世ではなく、プリンス・オブ・ウェールズ(後のジョージ4世)の肖像が描かれています。
ジョージ4世が即位したのは57歳の時で、その在位期間はさほど長くなく、1820年1月29日~1830年6月26日のおよそ10年間でした。即位時にはかなりの肥満体で体重が120キロほどあり、若いころの不摂生が祟ってさまざまな病を患い、痛み止めで服用したアヘンチンキの中毒となっていた可能性があるようです。
ジョージ4世の一般的な評価は、お世辞にも良いとは言えません。王室のゴシップ好きなマスコミが煽ったこともあるとは思いますが、この評価は概ね間違っていないのかな、と思います。ジョージ4世については、アンティークコインギャラリアさんがとても分かりやすくまとめていますので、是非そちらをご覧ください。悪名高い王でも彼なりに多少の功績は残していますので、その点は注目して欲しい所です。
このコインは、最初の英領インド司令官となった人物であり、また大のコイン愛好家でもあったウィリアム・フラートン大佐のために、J.ミルトンが少数作った試作貨です。フラートン大佐のコレクション、とても気になりますよね。一応調べては見たのですが、残念ながら彼のコレクションに関する情報は見つけられませんでした。
このコインは、NGC鑑定でPF65BN、Top Popとなります。写真だと伝わりにくいのですが、特に表面の肖像の輪郭全般にうっすらと青いトーンがかかっており、非常に美しいコインです。PCGSでは見つけることができませんでした。なお、オークションワールドで過去に同じデザインの銀貨が出品されていたことがあり、PCGSでPR66の評価となっていました。ただしこちらはオリジナルではなく、マシュー・ヤングという人物がこのオリジナルのコインを基に1820~40年ぐらいに銀で製作したものと考えられているそうです。
今回の旅は、ここまでにしたいと思います。
最後までご覧いただき、ありがとうございました🙇♂️
探求の旅は、まだまだ続きます🐪🌙