コイン探求の旅【補足】インド藩王国とは?

 私がコインを収集するにあたり、特に重視するのは見た目の良さで、さらに希少性があればなお良い、といった感じで選別しているのですが、それ以外にも一応一つのテーマがあります。それは『インド藩王国』のコインです。

 現在、私が所有しているコインを『コイン探求の旅』というタイトルでご紹介していますが、今後インド藩王国のコインについて書く機会がとても多くなると思います。そもそも藩王国って何?というお話から都度書いていくと非常に長くなってしまいますので、補足ページを作っておくことにしました。

 

 藩王国土侯国とも言います)とは、イギリスなどのヨーロッパ諸国による植民地化が進んでいた時期に、東インド会社の直轄領とならずに旧来の支配者が一定の自治権を認められた地域のことを指します。日本の江戸時代における藩とほぼ同等と考えて頂ければよいかと思います。

藩王国 - Wikipedia

 やや見づらいですが、上記地図のピンク色の部分はイギリスによる直接統治が行われた地域で、黄色い箇所が藩王国または保護国です。ちなみに保護国は、藩王国と違い外交、財政、軍事といった権利を持っておらず、ほとんど植民地といってもいい状態の国を指します。

 藩王国は、現在のインド、パキスタンバングラディシュ、ミャンマーに565ヵ国存在しました。主な藩王国を以下に示します(Wikipediaからの抜粋に若干加筆修正しています)。

現・インド

現・パキスタン

現・ミャンマービルマ

その他

  • ジャンムー・カシュミール藩王国

 

 藩王国は、一部の国で後継者不在によりイギリスに併合されるケースがありましたが、第二次世界大戦終戦まで存続した国もありました。そういった藩王国は、終戦後の1947年にイギリス領インド帝国が解体され、インドとパキスタンの分離独立の際に消滅しました。この時、国境付近に存在した藩王国は、どちらの国に帰属するかという選択を迫られました。それがきっかけで二国間の紛争が発生し、例えばカシミール地方(旧カシミール藩王国)は現在もインド・パキスタン間の係争地域となっています。

カシミール紛争 - Wikipedia

 藩王国については『印度藩王国 Classics&Academia』という専門書が出版されています。私はKindle版を購入してみました。1ページの文字数は少ないのですが、総頁数6,704頁という超大作、しかも挿絵や写真などは序盤の数ページしかありません(^^; それでも、藩王国を詳しく知るにはうってつけの書籍ではないかと思います。

dps-ec.com

 ちなみに、インド映画で2022年に日本でも公開されて大ヒットした『RRR』は、イギリス領インド帝国が物語の舞台となっています。

RRR : 作品情報 - 映画.com

www.youtube.com

 迫力満点で非常に面白い映画です。未見の方は是非!