コイン探求の旅 #18 『アメリカ合衆国 ハーフダラー銀貨 ウォーキングリバティ』

 コイン探求の旅、今回ご紹介するコインは『アメリカ合衆国 ハーフダラー銀貨 ウォーキングリバティ』です。

発行国  アメリカ合衆国
材質  シルバー
品位  0.9
発行年  1941年
発行枚数  11,200,000
鑑定会社  未鑑定
グレード  AU~MS相当(未使用品)
サイズ

 このコインは、表面には歩く自由の女神が大きく描かれ、その右下に「我々は神を信じる」という意味の「IN GOD WE TRUST」、その下に年号の1941が刻まれています。裏面には翼を広げた鷲が描かれ、その下に額面のハーフダラーが刻まれています。アメリカ合衆国を象徴するような、とても素晴らしいデザインのコインです。

 このコインの発行年は、1916~1947年です。それ以前に発行されていたバーバー・ハーフダラーは、1916年で発行からおよそ25年経過し、法的にデザインの置き換えが認められることから、造幣局の長官であったロバート・W・ウーリーは1915年にデザインの一新を指示しました。ウーリーは、アメリカ合衆国美術委員会にコンペを実施させ、その結果アドルフ・A・ワインマンのデザインによるハーフダラーが選ばれました。

Adolph Alexander Weinman - Wikipedia

 しかし、ワインマンによる「リバティが太陽に向かって闊歩する」デザインは、コインとして完成させることが困難であることが判明し、ウィリアム・G・マカドゥー財務長官は、バーバー・ハーフダラーのデザイナーであったチャールズ・E・バーバーに異なるデザインのコインを作らせることを検討しました。最終的に、造幣局はなんとかワインマンのデザインを取り込むことに成功しましたが、それでも完璧に再現されたデザインとはならなかったようです。このハーフダラーは、1948年にフランクリン・ハーフダラーに取って代わられることになりますが、このことが要因の一つではないかと言われています。

https://en.numista.com/catalogue/pieces2835.html

 それでもこのコインのデザインは、美術史家らからアメリカ随一と言われるほど評価が非常に高く、1986年以降にデザインを修正したウォーキングリバティがイーグル銀貨に採用され、また2016年には100周年記念ハーフダラー金貨が発行されました。

https://en.numista.com/catalogue/pieces1493.html

https://en.numista.com/catalogue/pieces96733.html

 

 このコインの鑑定枚数(1941年発行、デンバーミント)は、PCGSでは11,476枚あり、Top PopはMS68となります。NGCでは3,664枚あり、Top PopはPF69で★付きが1枚となります。さすがに鑑定枚数は多いですね。

 

 今回の旅は、ここまでにしたいと思います。

 最後までご覧いただき、ありがとうございました🙇‍♂️

 探求の旅は、まだまだ続きます🐪🌙