コイン探求の旅 #22 『インドール藩王国 1ルピー銀貨』

 コイン探求の旅、今回ご紹介するコインは『インドール藩王国 1ルピー銀貨』です。

発行国  インドール藩王国(インド)
材質  シルバー
品位  ?
発行年  1892年
発行枚数  ?
鑑定会社  未鑑定
グレード  VG~F相当
サイズ

 藩王国については、以下にまとめましたので参照して下さい。

rangalhu-coin.hatenablog.jp

 このコインは、表面には周囲に葉を付けた小枝と、かなり見切れていますが上部にシャー・アーラム・シッカ・ムバラク(シャー・アーラム2世を指しますが、シッカ・ムバラクの意味が不明)の文字、中央やや左上にヴィクラム暦の年号1949年が刻まれています。裏面には中央に太陽と、その周囲にマラーティー語でマハラジャ・シバージー・ラーオ・ホールカルの文字が刻まれています。

 インドール藩王国は、インドのほぼ中央に位置しています。

 このコインは、インドール藩王国のシヴァージー・ラーオ・ホールカルの治世において発行されたコインです。在位期間は、1886~1903年です。シヴァージー・ラーオ・ホールカルは、1903年に退位しその後1908年にインドールで亡くなりました。インドール藩王国は、彼の2代後のヤシュワント・ラーオ・ホールカル2世の代で、1947年のイギリス領インド帝国の解体およびインド・パキスタン分離独立の際にインドへ帰属することとなりました。シヴァージー・ラーオ・ホールカルについてはほぼ情報が無く、これ以上書くことができませんでした。

シヴァージー・ラーオ・ホールカル - Wikipedia

 

 このコインの鑑定枚数は、PCGSでは見当たりませんでした。NGCは1枚のみで、AU Detailsとなっています。このコインは、販売されているものをさほど頻繁には見かけません。発行枚数はそれなりに多いと思いますが、他の藩王国コインに比べると希少性は高めではないかと思います。

 

 今回の旅は、ここまでにしたいと思います。

 最後までご覧いただき、ありがとうございました🙇‍♂️

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コイン探求の旅 #21 『イギリス 1/2ソブリン金貨 ヴィクトリア オールドヘッド』

 コイン探求の旅、今回ご紹介するコインは『イギリス 1/2ソブリン金貨 ヴィクトリア オールドヘッド』です。

発行国  イギリス
材質  ゴールド
品位  0.9167
発行年  1893年
発行枚数  773
鑑定会社  PCGS
グレード  PR63DCAM
サイズ

 スラブに傷があり、その傷が写りこまないように写真を撮るのが大変でした(^^; 表面は今一つ綺麗に撮れなかったかも・・・金貨の撮影は難しいです。

 このコインは、表面には戴冠しヴェールを被ったヴィクトリア女王の肖像が描かれています。裏面には、竜を退治する聖ゲオルギオスが描かれ、その下に年号が刻まれています。聖ゲオルギオスはキリスト教の聖人の一人であり、人間の犠牲を要求したドラゴンを飼いならして殺害し、次の生贄として選ばれた王女を救出したという伝説があります。

聖ゲオルギオスと竜 - Wikipedia

 このコインに関しては。とある(@propGAFA)さんがとても詳しい解説動画をアップされていますので、是非そちらをご覧ください。私だといつも通りさらっとしか解説できませんので、今回は割愛させて頂きます<m(__)m>

www.youtube.com

 

 このコインの鑑定枚数(1893年発行、オールドヘッド)は、PCGSでは129枚あり、Top PopはMS66およびPR66+DCAMとなります。NGCでは122枚あり、PF67CAおよびPF67UCとなります。なお、発行年1893年のコインは773枚しか無いそうなので、他の発行年のコインと比較すると非常に希少性が高いと思います。

https://en.numista.com/catalogue/pieces13219.html

 

 今回の旅は、ここまでにしたいと思います。

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コイン探求の旅 #20 『マールワー・スルターン朝 1/2タンカ銅貨』

 コイン探求の旅、今回ご紹介するコインは『マールワー・スルターン朝 1/2ファルス銅貨』です。

発行国  マールワー・スルターン朝(インド)
材質  カッパー
品位  ?
発行年  1500~1507年
発行枚数  ?
鑑定会社  未鑑定
グレード  AG~G相当
サイズ

 このコインの碑文は読み解くのが困難で、正確な内容が分かりませんでした。表面はナシル・シャーに関する文言(信頼できる、不動の者といった賛美する内容か?)と、ミントマークが刻まれているものと思われます。裏面には、先代の王ギヤース・シャーの息子、ハルジー朝、王国を永遠にといった祈りの言葉が刻まれているものと思われます。

 このコインは、インドのほぼ中央に領土を持っていたマールワー・スルターン朝の第6代君主であるナシル・シャーの治世において発行されたコインです。ナシル・シャーの在位期間は、1500~1510年のおよそ10年間でした。マールワー・スルターン朝は、#19でご紹介したグジャラート・スルターン朝の東隣に位置します。

rangalhu-coin.hatenablog.jp

マールワー・スルターン朝 - Wikipedia

 マールワー・スルターン朝は、先々代の王であるマフムード・シャー1世の時代から周辺諸国との争いが絶えず、特にグジャラート・スルターン朝とは長期に渡り戦い続けました。ナシル・シャーの時代においては、マールワー・スルターン朝は衰退期にありました。ナシル・シャーの死後、その跡を継いだ7代目のマフムード・シャー2世の治世である1531年に、グジャラート・スルターン朝に首都のマーンドゥーを占領され、マールワー・スルターン朝は滅亡しました。

 

 このコインの鑑定枚数は、PCGS、NGCともに見つけることができませんでした。フリマサイトで探せば容易に見つけることができますので、希少性はほとんどないと思います。

 

 今回の旅は、ここまでにしたいと思います。

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コイン探求の旅 #19 『グジャラート・スルターン朝 1/2ファルス銅貨』

 コイン探求の旅、今回ご紹介するコインは『グジャラート・スルターン朝 1/2ファルス銅貨』です。

発行国  グジャラート・スルターン朝(インド)
材質  カッパー
品位  ?
発行年  1458~1511年
発行枚数  ?
鑑定会社  未鑑定
グレード  AG~G相当
サイズ

 このコイン、意図的なのか鋳造技術の低さによるものなのか分かりませんが、とにかく厚みが凄いです(^^;

 このコインは、表面にはグジャラート語で「ナーシルッディーン」と刻まれているものと思われます。他にもヒジュラ暦の年号が刻まれている可能性がありますが、よく分かりませんでした。裏面にはやはりグジャラート語で「マフムード シャー Ⅰ」と刻まれているものと思われます。

 このコインは、インド西部に領土を持っていたグジャラート・スルターン朝の第6代君主であるナーシルッディーン・マフムード・シャー1世の治世において発行されたコインです。ナーシルッディーン・マフムード・シャー1世の在位期間は、1458~1511年のおよそ53年間でした。

 マフムード・シャー1世は、グジャラート・スルターン朝の首都アフマダーバードを建設し、周辺の王朝と争って領土を拡大するなど、国王として優れた手腕を発揮した第2代の王アフマド・シャー1世の孫にあたり、彼自身もまた名君として有名でした。彼の統治下で商業と貿易は大いに発展し、チャーンパーネール、パーヴァーガド、ジュナーガドを征服してグジャラート・スルターン朝最大の版図を築き上げました。グジャラート・スルターン朝は、彼の治世において最盛期を迎えました。

グジャラート・スルターン朝 - Wikipedia

 しかし、1498年にポルトガルバスコ・ダ・ガマカリカットに来航し、それ以降ポルトガルの進出が顕著になると、交易の利権をめぐって衝突を繰り返すようになりました。1509年には、エジプトのマムルーク朝およびインド諸侯の連合艦隊ポルトガル海軍がディーウ沖で激突しました。連合艦隊は数的に優位でしたが、最新式装備を持ったポルトガル海軍の奇襲攻撃により連合艦隊は敗北、ポルトガルはインド洋の支配権を獲得することとなりました。

ディーウ沖の海戦 - Wikipedia

 マフムード・シャー1世は、1511年11月23日に亡くなりました。王位は、その息子のムザッファル・シャー2世が継承しました。グジャラート・スルターン朝は、それ以降もバハードゥル・シャーといった名君が王位に就き、1531年に隣国のマールワー・スルターン朝を滅ぼすなど繁栄を続けます。しかし、バハードゥル・シャーの死後急速に衰退し、1573年にムガール帝国の攻撃を受けて首都アフマダーバードが陥落、グジャラート・スルターン朝は滅亡しました。

 

 このコインの鑑定枚数は、PCGS、NGCともに見つけることができませんでした。フリマサイトで探せば容易に見つけることができますので、希少性はほとんどないと思います。

 

 今回の旅は、ここまでにしたいと思います。

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コイン探求の旅 #18 『アメリカ合衆国 ハーフダラー銀貨 ウォーキングリバティ』

 コイン探求の旅、今回ご紹介するコインは『アメリカ合衆国 ハーフダラー銀貨 ウォーキングリバティ』です。

発行国  アメリカ合衆国
材質  シルバー
品位  0.9
発行年  1941年
発行枚数  11,200,000
鑑定会社  未鑑定
グレード  AU~MS相当(未使用品)
サイズ

 このコインは、表面には歩く自由の女神が大きく描かれ、その右下に「我々は神を信じる」という意味の「IN GOD WE TRUST」、その下に年号の1941が刻まれています。裏面には翼を広げた鷲が描かれ、その下に額面のハーフダラーが刻まれています。アメリカ合衆国を象徴するような、とても素晴らしいデザインのコインです。

 このコインの発行年は、1916~1947年です。それ以前に発行されていたバーバー・ハーフダラーは、1916年で発行からおよそ25年経過し、法的にデザインの置き換えが認められることから、造幣局の長官であったロバート・W・ウーリーは1915年にデザインの一新を指示しました。ウーリーは、アメリカ合衆国美術委員会にコンペを実施させ、その結果アドルフ・A・ワインマンのデザインによるハーフダラーが選ばれました。

Adolph Alexander Weinman - Wikipedia

 しかし、ワインマンによる「リバティが太陽に向かって闊歩する」デザインは、コインとして完成させることが困難であることが判明し、ウィリアム・G・マカドゥー財務長官は、バーバー・ハーフダラーのデザイナーであったチャールズ・E・バーバーに異なるデザインのコインを作らせることを検討しました。最終的に、造幣局はなんとかワインマンのデザインを取り込むことに成功しましたが、それでも完璧に再現されたデザインとはならなかったようです。このハーフダラーは、1948年にフランクリン・ハーフダラーに取って代わられることになりますが、このことが要因の一つではないかと言われています。

https://en.numista.com/catalogue/pieces2835.html

 それでもこのコインのデザインは、美術史家らからアメリカ随一と言われるほど評価が非常に高く、1986年以降にデザインを修正したウォーキングリバティがイーグル銀貨に採用され、また2016年には100周年記念ハーフダラー金貨が発行されました。

https://en.numista.com/catalogue/pieces1493.html

https://en.numista.com/catalogue/pieces96733.html

 

 このコインの鑑定枚数(1941年発行、デンバーミント)は、PCGSでは11,476枚あり、Top PopはMS68となります。NGCでは3,664枚あり、Top PopはPF69で★付きが1枚となります。さすがに鑑定枚数は多いですね。

 

 今回の旅は、ここまでにしたいと思います。

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コイン探求の旅 #17 『オーストラリア 1フローリン銀貨 キャンベラ議会設立記念』

 コイン探求の旅、今回ご紹介するコインは『オーストラリア 1フローリン銀貨 キャンベラ議会設立記念』です。

発行国  オーストラリア
材質  シルバー
品位  0.925
発行年  1927年
発行枚数  2,000,000
鑑定会社  未鑑定
グレード  XF相当
サイズ

 このコインは、表面にはジョージ5世の肖像が描かれており、裏面には交差した王笏の上に楕円で囲まれた国会議事堂と、その下に擦れて読めませんが年号の1927が刻まれています。

世界の国会議事堂:オーストラリア(キャンベラ) - 国会等の移転ホームページ - 国土交通省

 写真手前側の白い建物がコインに描かれている国会議事堂、その背後の国旗が掲揚されている建物が1988年に完成し現在も使われている新国会議事堂になります。

 1927年5月9日は、国会議事堂が開場しキャンベラが正式にオーストラリアの首都となった日です。このコインは、それを記念して発行されたものとなります。

 国会議事堂は、スコットランド人建築家のジョン・スミス・マードックと土木鉄道省のアシスタント・チームによって設計されました。この建物は、恒久的なものではなく、最長で50年の間国会のニーズに応えるための暫定的な建物となることを意図して設計されました。その設計は、建物そのものだけではなく庭園、内装、調度品にまで及びました。

en.wikipedia.org

 国会議事堂は、1988年にオーストラリア建国200年を記念して作られた新国会議事堂が開場となったことに伴い、その役割を終えました。建物は現在も博物館として存続しており、その内部を見学することができます。また、企画展、講演会、コンサート会場としても利用されています。

旧国会議事堂 (パークス) - ツアーとアクティビティ | エクスペディア

 

 このコインの鑑定枚数は、PCGSで998枚ありTop PopはMS67となります。NGCでは不確かですが14枚(もっとありそうな気がしますが)で、Top PopはPF70 Ultra Cameoのようです。私はこのコインをフリマサイトやコインショップであまり見かけたことがないのですが、発行枚数が200万枚と非常に多いので、さほど状態が良くないものであれば容易に見つけられるのではないかと思います。

 

 今回の旅は、ここまでにしたいと思います。

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コイン探求の旅 #16 『グワーリヤル藩王国 1/4アンナ銅貨』

 コイン探求の旅、今回ご紹介するコインは『グワーリヤル藩王国 1/4アンナ銅貨』です。

発行国  グワーリヤル藩王国(インド)
材質  カッパー
品位  ?
発行年  1929年
発行枚数  ?
鑑定会社  未鑑定
グレード  VG~F相当
サイズ

 藩王国については、以下にまとめましたので参照して下さい。

rangalhu-coin.hatenablog.jp

 このコインは、表面には中央にジョージ・ジーヴァージー・ラーオ・シンディアの肖像と、それを取り囲む形で「シュリー(聖なる人の意味) ジーヴァージー ラーオ シンディア バハードゥル(閣下の意味) グワーリヤル」と刻まれています。裏面には中央にグワーリヤル藩王国(シンディア家)の国章と、その左右にデーヴァナーガリー文字とウルドゥー文字で額面のクォーターアンナ、下にヴィクラム暦の年号の1986年が刻まれています。

 グワーリヤル藩王国は、インド北部に位置しています。

シンディア家 - Wikipedia

 このコインは、グワーリヤル藩王国の最後の王ジョージ・ジーヴァージー・ラーオ・シンディアの治世において発行されたコインです。ちなみに、ファーストネームの「ジョージ」は、イギリス国王ジョージ5世にちなんで名づけられました。在位期間は、1925~1947年です。グワーリヤル藩王国は、1947年のイギリス領インド帝国の解体およびインド・パキスタン分離独立の際にインドへ帰属することとなりました。ジョージ・ジーヴァージー・ラーオ・シンディアについてはほぼ情報が無く、これ以上書くことができませんでした。

ジョージ・ジーヴァージー・ラーオ・シンディア - Wikipedia

 

 このコインの鑑定枚数(同デザイン6種類合計)は、PCGSでは47枚、Top PopはMS66となります。NGCは189枚、Top PopはMS67となります。このコインは、比較的状態の良いものが大量に残っているようで、フリマサイトで容易に見つけることができます。状態がよほど良い物でない限り、希少性はほとんどないと思います。

 

 今回の旅は、ここまでにしたいと思います。

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