コイン探求の旅 #14 『パーダーボルン司教領 2/3ターラー銀貨』

 コイン探求の旅、今回ご紹介するコインは『パーダーボルン司教領 2/3ターラー銀貨』です。

発行国  パーダーボルン司教領(ドイツ)
材質  シルバー
品位  ?
発行年  1786年
発行枚数  ?
鑑定会社  NGC
グレード  MS64+
サイズ

 このコインは、表面には中央に小さなヴェストファーレンの楯、その背後に周囲を王冠と花輪で飾られたスペインの楯が描かれており、裏面には右手に大杖を持ち雲の上に座る聖リボリウスの像が描かれています。

 バーダーボルンは、現在のドイツ西部のノルトライン=ヴェストファーレン州デトモルト行政管区のパーダーボルン郡に属する市で、聖リボリウスはバーダーボルンの守護聖人とされています。

 司教領とは、君主の資格を有する司教が支配する領域を指します。このコインが発行された1786年の司教領主は、ヴィルヘルム・アントン・フォン・デア・アッセブルクでした。バーダーボルン司教領は、1803年にプロイセン領に組み込まれました。

Prince-Bishopric of Paderborn - Wikipedia

 聖リボリウスはル・マンの第2代司教で、およそ49年間司教を務めました。彼の生涯についてはほとんど知られていませんが、96回の叙階式で217人の司祭と186人の助祭を叙階したと言われています。

聖リボリウスとカルロ・ボロメオとの聖母子(右はコインの聖リボリウス)

 リボリウスの生年は不明(348年頃?)、397年7月23日に死去しました。彼は、友人であるトゥールの聖マルティンの腕の中で亡くなったため、良い死をもたらす守護神とされています。また、1267年にリボリウスの祠に巡礼に来たヴェルナー・フォン・エップシュタイン大司教の胆石が治癒したことから、それ以降疝痛、発熱、胆石の治癒を祈願されるようになりました。リボリウスの像が持つ聖書には3つの石が置かれていますが、これは胆石治癒に由来しています。

Liborius of Le Mans - Wikipedia


 このコインは、NGCの鑑定枚数が4枚でMS64+はTop Popとなります。PCGSでは見つけることができませんでした。発行枚数は不明ですが、コインショップやフリマサイトなどでほとんど見かけませんので、特に状態が良いコインは希少性が高いのではないかと思います。

 

 今回の旅は、ここまでにしたいと思います。

 最後までご覧いただき、ありがとうございました🙇‍♂️

 探求の旅は、まだまだ続きます🐪🌙