コイン探求の旅 #13 『マイソール藩王国 20キャッシュ銅貨』

 コイン探求の旅、今回ご紹介するコインは『マイソール藩王国 20キャッシュ銅貨』です。

発行国  マイソール藩王国(インド)
材質  カッパー
品位  ?
発行年  1833~1838年
発行枚数  ?
鑑定会社  未鑑定
グレード  AG相当
サイズ

 #12でマイソール王国のコインをご紹介しましたが、今回は藩王国化された後で発行されたコインとなります。

rangalhu-coin.hatenablog.jp

 藩王国については、以下にまとめましたので参照して下さい。

rangalhu-coin.hatenablog.jp

 このコインは、表面には神話に登場するサルドゥラというライオンが描かれており、裏面には中央にカナラ語でクリシュナ、それを取り囲むように額面(下から時計回りにXX CASH)とミントネーム(右下から時計回りにMILAY?)が刻まれています。表面には、他にもライオンの周りに神話にまつわる何かしらのカナラ語が刻まれているようですが、神話を理解していない私には読み解くのが難しかったので、割愛します。

 マイソール藩王国は、インド南部に位置しています。マイソール王国の最盛期と比較すると、その領土はおよそ半分にまで減少しています。

 このコインは、オデヤ朝第23代クリシュナ・ラージャ3世の治世において発行されたコインです。クリシュナ・ラージャ3世は、マイソール・スルターン朝のティプー・スルターンの死後にオデヤ朝が復権した際、最初に君主の座に就きました。その在位期間は1799年~1868年のおよそ69年間で、長期間に渡り君主の座にありました。

ja.wikipedia.org

 当時の藩王国は、後継者不在であったり内政などで何らかの不手際があった場合、イギリスへの併合や自治権のはく奪といった処分を受けていました。1831年にマイソール藩王国内で発生した農民反乱は、マイソール藩王国の失政であるとして内政権をはく奪する口実を与えることとなってしまいました。それ以降、マイソール藩王国はイギリスの管理下に置かれ、1868年にクリシュナ・ラージャ3世が亡くなりチャーマ・ラージャ10世が跡を継いだ後も変わることはありませんでした。

 マイソール藩王国は、クリシュナ・ラージャ3世の3代後のチャーマ・ラージャ11世の代で、イギリス領インド帝国の解体およびインド・パキスタン分離独立の際にインドへ帰属することとなり、約500年間存続し続けたマイソール王国は消滅することとなりました。

 

 このコインの鑑定枚数は今一つよく分かりませんでしたが、PCGSでは1枚でTop PopはVFであると思われます。NGCでは見つけることができませんでした。おそらく状態の良くない未鑑定のコインが大量に存在しているのではないかと思います。

 

 今回の旅は、ここまでにしたいと思います。

 最後までご覧いただき、ありがとうございました🙇‍♂️

 探求の旅は、まだまだ続きます🐪🌙