コイン探求の旅 #5 『英領西アフリカ 2シリング銀貨』

 コイン探求の旅、今回ご紹介するコインは『英領西アフリカ 2シリング銀貨』です。

発行国  英領西アフリカ
材質  シルバー
品位  0.925
発行年  1914年
発行枚数  637,000
鑑定会社  未鑑定
グレード  VF toned相当
サイズ

 今回は、#3、#4と同年代に発行されたコインを選びました。

 

 このコインは、表面にジョージ5世の肖像、裏面にヤシの木が描かれています。このコインについて書くうえでジョージ5世の解説をするのはちょっと違うかな、と感じるので、今回は当時のアフリカ情勢について書きます。ジョージ5世の肖像が描かれたコインは山ほどありますので、別の機会に書きたいと思います。

 

 英領西アフリカとは、現在のガンビアシエラレオネ、ガーナ、ナイジェリア辺りを指します。以下の緑色の箇所が該当します。

イギリス領西アフリカ - Wikipedia

 1914年時点のアフリカ大陸は、ほとんどの地域がヨーロッパ各国により植民地化されており、独立国は東部のエチオピア帝国と西部のリベリア共和国のわずか2か国しかありませんでした。

アフリカ戦線 (第一次世界大戦) - Wikipedia

 第一次世界大戦の勃発により、アフリカ各地の同盟国領と中央同盟国領との間で戦闘が発生することとなりました。

 アフリカに植民地を持つ中央同盟国はドイツのみで、しかも植民地化されてから日が浅く、十分な戦力を保有していない状況でした。それに対しイギリスを中心とした同盟国側は十分な戦力を保有していたため、トーゴランドは開戦直後の1914年8月に降伏、カメルーンは1916年2月に降伏しました。しかし、東アフリカだけは状況が異なり、「アフリカのライオン」の渾名を持つパウル・フォン・レットウ=フォルベック率いる植民地防衛隊は、ゲリラ戦により圧倒的な戦力を持つイギリス軍を大いに苦しめました。

パウル・フォン・レットウ=フォルベック - Wikipedia

 フォルベックは非常に興味深い人物なのですが、今回のコインからあまりにも話がそれ過ぎてしまうので、今回は記載を見送ります。ドイツ領東アフリカのコインを紹介する際に、改めて書いていこうと思います。そもそも、そんなコインあるの?と言われそうですが、ちゃんとあるんですよこれが(笑)

 

 このコインは鑑定済みが殆ど無く、PCGSは1枚のみ、NGCはありませんでした。状態の良いコインがあまり無く、また価値が低く未鑑定のコインが多数あるといった状況ではないかと思います。ちなみに、過去のヘリテージオークションでは、AU58が$312で落札されていました。

 

 今回の旅は、ここまでにしたいと思います。

 最後までご覧いただき、ありがとうございました🙇‍♂️

 探求の旅は、まだまだ続きます🐪🌙